物語

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詩・物語

黄色いカラスとひよことカラス

お前はカラスが好きか?俺は嫌いだね。お前は誰かカラスが好きなヤツを知ってるか?俺は知らない。ひとりも知らない。そんなヤツ、どこにもいるとは思えねぇ。なんでそんなに嫌いかって、理由はいろいろあるけどな、やっぱこの色がいちばんだ。黒、真っ黒、た...
詩・物語

誰も起きてはならぬ

夜しか知らなければ、夜とはなんなのかを理解することはないだろう。 明るい昼と比べられないのだから。 自分しかいないのであれば、自分とはなんなのかを理解することはないだろう。 だから今、私がなぜこんなことになったのか、私には知る由もない...
詩・物語

登々賭々人々

俺たちは誰でも家族に影響を受けている。 そしてそのなかでもいちばん原始的な、いちばん強烈なものが、名前だと思う。   二郎。 これは俺の父親の名前だ。けど、父親の上に兄はいない。生まれてすぐに亡くなった。自分の名前を呼ばれる間もない...
詩・物語

G線上のありふれた対義語

車いすに乗っているということで不便なことはたくさんあるけれど、便利なことだって確かにある。そのひとつが、 「席がないということが起こり得ない」 ということだ。休みたくなったからと言って、座席を探す必要はない。座る場所なら、いつもここにあ...
詩・物語

金の斧、銀の斧

木こりが、湖のほとりで木を切っていた。 しかし不意に手が滑り、斧を湖に落としてしまった。   木こりはしばらく物思いに耽っていたが、やがて意を決した。 しかし木こりがそこを立ち去る前に、不意に湖から、女神が現れてこう言った。 あな...
詩・物語

赤鼻のトナカイ

真っ赤なお鼻のトナカイさんは いつもみんなの笑いもの。 でもそれはもう昔の話で、そう去年あの日にサンタさんが、トナカイさんが役に立つんだと、はっきり伝えたものだから、一気にトナカイさんはもう、今やみんなの人気者。 でもそうやってトナカイ...
詩・物語

裸の王様

「幸」の字源を知ってるかい? 幸せの意味を話せるかい? 今日のお話を聴きながら 一緒に考えてはくれないか?   そのひとが国を建てたとき、希望に燃える青年だった。 彼は「幸」の御旗を立てて、その国の名を「幸国」とした。 彼がそ...
詩・物語

ある日ある場所での演説

地球人のみなさん、そして宇宙のみなさん、ありがとうございます。私たち地球人は今日、地球を再建し、地球のための約束を守るための、全地球的な努力に加わりました。私たちはともに、地球と世界が今後進む道を決めます。私たちは課題や困難に直面するでしょ...
詩・物語

クオリティ・オブ・ライフ

私は世界がいつからこうなったのかを知らない。それにどうしてこうなったのかなんてわからない。だってそんな何百年も前の歴史をさかのぼってる時間なんてない。そんなことより私は、今を生きなくちゃいけない。 でも私は昔のことはよく知らないけれど、今...
詩・物語

オオカミ少年

少年が初めてそのオオカミたちを見たとき、彼は慌てて叫んだ。 「オオカミだ、オオカミが来たぞ!」 けれど驚いたことに、そのオオカミたちが続々と少年の村に侵入してきているのに、その姿は彼以外の誰にも見えていないのだった。だからおとなたちは彼...
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