天に華あり、地には温もり

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焚き火と行灯

ねぇ あのね

天に華っておかしくない?

花は地にこそ咲くものじゃない?

 

いやそうとも限らないのさ

華というのは花だけでなく

咲くはずの場所に咲くだけでなく

咲きたい場所に咲くものなのさ

 

それにもしも地表より

さらに深いところに潜り

そこから上を見上げたら

地表の花は 天の華になる

だからそれもまたひとつなのさ

 

わかるようなわかんないような?

でもともかくね なんにしてもね

冷たく錆びて澱んでるより

あたたかくのんびりいられるような

温もりがいっぱいあったらいいよね

それほど烈しく燃えなくたって

自分が消えることはないよって

そう言ってあげたいよねぇ

 

そうだね それに他のみんなが

地面から伸びてくように見えても

ずっと深くから伸びてきたなら

他のみんなと同じ場所まで

ようやく着いたように見えても

それは実際には天に

上りきったと同じくらいに

尊いことだと言えるんだよね

 

ええ だからあの子の成長は

別に遅いわけでもなく

回り道が悪いわけでもなく

ただあの子としたらねぇ

月に憧れるのでしょうけどねぇ

それもとっても 愛しいですね

 

というかあの子の成長は

遅いという心配どころか

むしろ早いと思いますけどね?

まぁあんまり浮き足立って

掬われてもまずいのだけど

ともかく少なくともここまでは

思ったより充分早く

よくやったと言っていいのでは?

 

そんなものですか? それなら私も

親としてひとつ荷が降りた

これからも迷いはあるでしょうけど

 

それは誰だってそうでしょう?

だからいいんじゃないですか?

そして今度はあの子がかつての

あなたの気持ちに近づいていき

それで悩みもするだろうけど

そのときにこそあなたと彼が

もっと仲良くなれるなら

それもほんとに素晴らしいことだ

 

ともかく 今日はこんなにも

おめでたい場に立ち会えたこと

ほんとに光栄に思います

ひとつのいのちが生まれたことで

こんなにみんなが温まる

だからあなたのその願いは

もう既に叶っていると

僕もこの場で保証しよう

ほんとにほんとにおめでとう

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