2018年2月23日に、あなたへ送る手紙

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茶色のテンプレートと花

前回あなたに手紙を出してから、まだ1週間も経ってない。でもまた書きたくなったから、書いてしまおうと思う。それにこういうのって、ある程度回数を重ねてしまえば、どんどん書きやすくなるんだよね、やっぱり。ここに最初に詩を書いたり、物語を書いたときとおんなじだ。まぁともかく、僕は自分の想いをこうやって表現できるだけで、嬉しく思ってるんだ。

あなたは前から

あなたは私を知らなくてもいい。ただ、私があなたを知っていれば

と言っていたけど、今やそれは、言葉どおり現実になった。だけどだからこそ、僕はあなたに伝えたいことが、たくさんある。だからこうしてまた、手紙を書いている。

 

あなたはずっと、

「自分を深く知られること」

を強く恐れていた。そしてそれは、今も変わっていないと思う。

だけどそれは、ほんとは、僕も同じなんだ。でもこれは、たぶんあなたも、気付いていたと思う。ただ僕の場合は、ほんとは、

このひとは、僕のすべてを知ったとき、それを好きになってくれるかなぁ?それとも嫌われてしまうかなぁ?

っていうのを、知りたいという想いがある。そして、途中でそれが「嫌われるほう」に行きそうになったら、その時点で、その先に進むのをやめちゃうんだ。つまり僕は結局のところ、「怖がり」なんだと思う。でもそれも、あなたと同じだったんじゃないかな。

僕とあなたでは、育ってきた環境が違う。それに、感受性が違う。だから、自分を創ってきた体験が、いろいろと違っている。それは間違いないし、それは前よりもだからこそ、重々わかるようになったことだ。だけどそれでも、僕とあなたには、やっぱりものすごくたくさんの共通点があるんだと、今でも思ってる。

 

たとえば、

「自分のこどもがほしくない・ほしいと思えない」

っていうのもそのひとつだ。前に話したとおり、僕は高校生の頃、両親に

正直に言って、この先どこでどんなふうに生きたとしても、からだのこともぜんぶ含めて、こんな自分を好きになってくれるひとがいるとは思えない。それにもし、奇跡的にそんなひとが現れたとしても、そのひととの間にこどもを産んだら、「こども以上に手間のかかるおとな」である自分も含めて、相手には2倍以上の世話の負担をかけてしまうことになる。あとね、もっと言えば、僕は自分が生きていることを心から楽しいと思えていないのに、そんな自分がそんな気持ちのままで、こどもを産むことは間違ってると思う。こんな世界には、自分の意志としては、こどもを呼びたくない。だから、なにを言いたいかというと、この家にこれから弟が生まれるとも思えないし、この家の名前は、僕の代で表面的には途絶えてしまうと思う。だから、そのつもりでいてほしい

って伝えた。そしたら泣かれてしまったから、それ以降同じ話をすることはなくなったんだけど、今も気持ちは変わっていない。それに気持ちが変わったと言ってないんだから、変わってないんだということは、両親もわかってると思う。

だからね、あなたがそんな僕と同じような世界観を持っていることを知ったときに、僕は確かに、あなたに救われたんだ。それにほんとは、こどもそのものは大好きなんだということも、僕とあなたは同じだった。

 

だけど、そんな僕とあなたは、

「なにかを創る」

ことが好きだ。「肉体のこども」を持つことに関しては、どうしようもない葛藤と抵抗を感じているにもかかわらず、

「精神のこども」

に関しては、絶対的と言っていい愛着を持っているし、その「こどもたち」がすくすくと育つことに関しても、強い自信があった。ときどき僕がそれを失いかけたときも、あなたは僕以上に強く、それを確信してくれた。そしてその「圧倒的な力強さ」は、今でも僕を支える柱になっている。

 

哀しみや痛みにただ真正面から向き合い続けることに疲れ果ててしまって、でもそこから眼を背けることもできないとき、それを糧にする方法のひとつが、

「創作物に昇華する」

っていうことだと思う。そしてこの手紙も含め、あなたがいなかったら僕のなかに、そしてこの世界に生み出されることもなかったものは、数えきれないほどたくさんある。だから僕は、そこにあった数々の失敗と、不手際と、哀しみと痛みのすべてを切実に認識しながらも、それでもあなたのことを知ることができて、関わることができて、よかったと思ってる。あなたとのことに関して、忘れたいできごとは、ひとつもない。だからもちろんそのすべての根源にあるあなたの存在を忘れたいと思うことも、永遠にない。そして僕はね、あなたと、あなたが最初に予測していたよりはずっと深く関われたことを、うれしく思ってるんだよ。ただあなたを苦しめてしまったことに対して、申し訳ないと思ってるだけだ。いつかこのことが、正しく伝えられる日がくればと思う。あなたが持っている「恐怖」は、僕に対しては、必要なかった。あなたのことを怖いと思ったことは、なかったよ。

 

ねぇ、記念切手(特殊切手)って知ってる?せっかくだから、今度からそれを選んで貼ってみようと思って。今日のはね、『天然記念物 第2集』のなかの、シブツアサツキの切手にするね。夏の花だからほんとは季節外れなんだけど、まぁいいよね。気に入ってくれたら、うれしいな。

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