こないだ、

っていう文章を書いた。これは僕が今までとはまたひとつ違った観点から自分のことを書いた文章だったと言えると思うんだけど、これは僕にとっては確かにまた違う「勇気」を必要とするものだったんだ。だけど実際になんとか書いて公開してみると、これは僕自身にとってもいいことだったし、思ったよりいろんな反響ももらえて、
いろいろ葛藤はあったし、うまく書けなかった(これはほんとは、この文章に限らない)けど、書いてよかったなぁ……
って思った。だからその経験を踏まえて、またこんな僕の話を、してみたいと思う。
友達は少ないと自覚してるけど、登録されてる「連絡先」の数はそれなりにある
こないだ書いたように、僕は自覚的にも「コミュニケーション」にいろんな葛藤(周りから見ると「問題」になることも多い)を抱えている。だからなかなか思うように人間関係を築けないことも多いんだけど、そんな僕の「厄介さ」を知ったうえで、それでも僕を排除せずに歩み寄ろうとしてくれる友達も、確かにいる。そして僕は、そんな友達に、心から感謝している。
でもそんな友達は実際にはすごく貴重なのにもかかわらず、僕の携帯電話の「連絡先」には、けっこうたくさんの番号が登録されている。そしてあるときそれを見て、
っていうか、実際こんなに交友関係広いんなら、充分うまくやれてるほうなんじゃない?
って言われたことがある。
だけどほんとは、僕の電話帳に登録されてる連絡先の数は、僕の交友関係の広さを意味してるとは言えないんだ。そしてそれは、別に僕が
広く浅くたくさんの知り合いを持とう
としたってことを表してるわけでもない。そのほんとの理由は、別にあるんだ。
それは、「間違って出てしまわないために登録してある番号」なんだ
「連絡先」に誰かの情報を入れておく理由としていちばん基本的なものは、
「自分から相手に連絡するため」
だと言っていいと思う。そして僕の「連絡先」に登録してあるひとたちが、みんなその意味で記録されてるものなら、それは確かに、「僕の交友関係の広さ」を意味するだろう。でも、僕にとっては、必ずしもそうじゃないんだ。
もちろん、全員がそうだっていうわけじゃない。だけど僕が登録してある「連絡先」には、少なからず「別の理由」で登録されてるものが含まれている。
僕がなにをどう話したらいいのかもわからないひとたちが、僕にはたくさんいる
なんでこんな回りくどいことをしてるのかには、いくつかの理由がある。この方法の代わりにたとえば、
「連絡を取りたいひとの番号だけ登録しておいて、それ以外の『知らない番号』からは出ない」
っていうふうにしてもいいんじゃないかと思うかもしれない。でも僕の場合ならなおさら、そういうわけにもいかないんだ。その「知らない番号」っていうのが、たとえば
「ネットで買ったものを配達してくれるドライバーさん」
くらいしか可能性がないんだったら、それでもいいかもしれない。でも僕の場合は、
僕は相手の番号を知らないけど、相手は僕の番号を知っている
っていうひとが、たくさんいるんだ。
だから僕は、この方法を採らずに、今の方法を選んでいる。
でもほんとに大切なことは、
なんで、そんなに電話を怖がる相手がいるの?
ってことだと思う。これは実際単純なことだ。
そのなかには、僕が相手から傷つけられてしまったひともいる。逆に、僕が相手を傷つけてしまったってこともある。それは結局、
この際電話番号を、変えちゃえばいいんじゃないの?
でもこれに対して、他にも
「僕の電話番号を、新しく替えてしまう」
っていう方法も、考えついてはいる。でもさっきも書いたように僕は事務的にもいろんなところに電話番号を伝えなきゃいけない状況にある。だから今さらそういうところのひとつひとつにもれなく新しい電話番号を伝えなきゃいけないっていうのは、相当な負担だ。それに僕は今まで自分の番号を変えたことがないから、それに愛着があるという要素もある。だからよほどのことがない限り、この方法は選びたくない。
じゃあ、「着信拒否」にしたらいいんじゃないの?
でもそれなら、「相手の番号を連絡先に入れて、そのうえで出ない」なんてことをしないで、もっと単純に、「着信拒否」にしたらいいんじゃないの?
っていうひともいると思う。でもそれだと、ダメなんだ。
僕は別に相手を「拒否」したいんじゃない。しかも相手のことが「嫌い」なわけでもない。ただ、
今の僕では、今のあなたになにを話したらいいのか、まだわからない
っていうだけなんだ。だから、そんな状態で相手と電話して、今ある「溝」を、これ以上拡げたくないんだ。ただ、それだけなんだ。
それに、ほんとは、ほんとのほんとは、もうひとつ理由もある
だけど、ほんとは、ほんとのほんとは、もうひとつ理由もある。それにこれは、さっき
「なんで僕の電話番号を替えてしまわないのか」
っていう話をしたときに、付け足してもよかった理由でもある。
でも、これは単なる「願望」でもない。なかには、何年も前に関わっていたひとからの電話に出ることができて、それで「積もっていたわだかまり」が、だいぶ溶けたっていう実例もある。だからこそ、僕はその可能性を、棄てることができないし、棄てたくないんだ。
電話じゃなくてメールなら、もっと返しやすいと思う。でももし返せなくても、「返したい気持ちはある」っていうことは、わかってもらえたら、すごく嬉しい
でもこれは、実のところ、こないだも書いたみたいに、
「即時性が求められる、電話だから」
っていうのも、すごく大きい。だからもしよかったら、電話じゃなくてメールにしてくれたら、かなり助かる。だけどそれでも、うまくいかないかもしれない。だから、返せないかもしれない。でもいずれにせよ、僕には「返したい気持ち」はあるんだってことをわかってもらえたら、すごく嬉しい。ただ、なんて言ったらいいかわかんないんだ。そして、なんて言っても言わなくても、もっと状況が悪化するかもしれないから、わかんないんだ。だから、今は、どうしようもないんだ。
だけどいずれは、いつかは、あなたともわかり合いたいと思っている。ほんとに、いつだって、そう思ってるんだ。僕の「連絡先」には、切なさとそんな希望が、確かに詰まっている。

コメントをどうぞ