あなたのからだはあなただけのものじゃない。だから僕はあなたにもできるだけ元気でいてほしい

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お母さんのお腹にキスする女の子

こないだいちど

激しい表現で煽ることで、世界は変えられるの?
今年の3月、ある匿名の書き込みのなかに日本死ね!という表現があったことが話題を呼んで、僕もそのことについて思ったことを書いた。 ...

のなかでも取り上げたけど、長谷川豊さんっていうひとが書いた

私は「健康保険制度」と「年金」をすべて解体すべきだと考えています。それを実行できる政治家がいるのかどうか&結論から言うときっと現れないことでしょう。でも、私は考えています。それが日本を再生させる極めて有効な手段だと。今の日本には「不安」が広がってい

っていう文章が大きな話題になって、結果的に長谷川さんは大きな仕事のほとんどを失うことになった。だからこのできごとは日本の多数派の価値観を浮き彫りにしたし、僕もあの文章はあまりにも多くの問題を含んでいたから、こういった反応になるのは妥当だとも思う。それに何度も言うけど、「人工透析患者」という特定のひとたちを狙い撃ちにするような書きかたは、やっぱりあまりにも感情を煽りすぎてひどいと思う。

だけどただ1点だけ、僕はあの文章と共感できる糸口がある

だけどこの基本的な考えはすべて踏まえたうえで、僕はただ1点だけ、あの文章と共感できる糸口がある。それは、

日本の社会保障は、絶対にこのままじゃ保たないっていう問題意識だ。

そもそもあの文章は、こんな書き出しで始まっている。

私は「健康保険制度」と「年金」をすべて解体すべきだと考えています。

それを実行できる政治家がいるのかどうか…結論から言うときっと現れないことでしょう。でも、私は考えています。それが日本を再生させる極めて有効な手段だと。

(中略)

そして日本人は「気づいている」のだと思うのです。「不安」なのではなく「ちゃんと分かってしまった」のではないかと思うのです。ネットの普及によって。

もう、年金のシステムなんて、とっくの昔に完全に崩壊していることを。

もう、健康保険のシステムが、完全に時代に合わなくなってきていることを。

私は「健康保険制度」と「年金」をすべて解体すべきだと考えています。それを実行できる政治家がいるのかどうか&結論から言うときっと現れないことでしょう。でも、私は考えています。それが日本を再生させる極めて有効な手段だと。今の日本には「不安」が広がってい

そしてこの主張を補強するために「自堕落な人工透析患者」っていう「仮想敵」を作ろうとして大失敗しちゃったわけだけど、彼のこういう言い回しは一種の「(悪い)クセ」みたいなものなんだってわかる。この文章とかもそうだし。

私は何かを「改善」する場合は、まず「大きな部分」から改善しなければ、何も始まらないと考えています。例えば、自分の部屋が生ゴミだらけで掃除機は全然かけておらず埃だらけで&。結局全部掃除したいのですけれど、そんな部屋の掃除をするときに、窓の下の冊子の部分を

それでそういうところは今回大勢のひとからこれ以上ないくらい指摘された部分だから、今さら繰り返す必要もないだろう。そしていったんそういうのには全部眼をつぶって見てみると、彼の「原点」にはこんな考えがあるのがわかる。

原田「まず長谷川さんに経緯を何もご説明してないんですけど、長谷川さんの今回の出来事が(話題に)たまたま出てきまして。

ブログを読むと、長谷川さんもちゃんといろいろ説明していたのに、一部が切り取られて話題になっちゃったんじゃないの、っていう話になって。

いかがですか、そこら辺は?」

長谷川「そうですね、あのー、2週間前か3週間前に、読売新聞の記事を見まして。

医療費が信じられない速度で増えていると。

1年間だけで⒈5兆円増えてるって、これはブログに書かないとまずいなと。

というのも、こっから増えていくのも分かるはずなんですけど、今のまま抑えても5年で⒎5兆円増えるわけでしょ。破綻するに決まってるじゃないですか。

医療関係の人たちに取材して、その中でもいろんなものの中で突出して、これはどうなんだって声が多かったのが人工透析の話だったので、それを書こうと思って。

「ウーマンラッシュアワー村本大輔の土曜TheNIGHT」第12回のゲストは芥川賞作家の西村賢太さんと若者研究家の原田曜平さん。たまたま長谷川豊さんの人工透析炎上事件の話題になった時に、原田さんが長谷川豊さんと連絡を取りはじめました。原田「ちなみに全然関係無いですけど、長谷川さんが電話できるよ、って」村本「長谷川豊さん?...

ここで人工透析患者を槍玉に挙げたりして単純化しようとした部分を除けば、ここにあるのは

このままじゃ日本の社会保障は保たない!

っていう危機感なんだとも思う。そしてその部分については、実際僕も強く共感できるんだ。

健康の問題は、もう「個人の問題」としてだけでは捉えられない

そしてそういう危機感は、もういろんなところに拡がってきてもいる。そのなかでも切り口が興味深かったのは、こないだ僕もたまたま見た、こんな番組だった。

所得や働き方の違いがあなたの命をも脅かす。日本では今、職業、経済力、家族構成や地域などによって、病気のリスクや寿命に格差が生じる「健康格差」の問題が深刻化している。このままでは、社会全体の活力が失われ、医療費や介護費のさらなる増加にもつながる恐れがあるため、健康格差は“日本の時限爆弾”だと指摘する専門家もいる。

ここでは1時間ちょっとの限られた時間のなかに凝縮して、日本の「健康格差」についていろんな実例の報告や問題提起が為されていた。そしてここにも書かれているように、この番組のなかではこんなテーマの話し合いも行われていたんだ。それは端的に言えば、

健康管理はどこまでが自己責任なの?

っていうテーマだ。

事前に行ったNHKネットクラブのアンケートでは、視聴者の皆さんから「健康管理は自己責任だ」という声が、少なからず寄せられます。

健康格差の問題を考えるには、その実態と解決策をお伝えする間に「問題を共有する」時間が必要だと感じ、番組の構成を軌道修正し、討論に「自己責任か、社会の問題か」という項目を加え、視聴者の皆さんにも生投票という形で意見を表明して頂きました。

「自己責任派」の根底にあるのは、国が、糖尿病や心臓病やがんといった「成人病」を「生活習慣病」と改称したことから「生活習慣は自己管理で改善できる」という世論が広がったからという指摘や「自分は必死に頑張っているのに、なぜ頑張れないのか。努力が足りないのではないか」といった思いがあるのでしょう。

僕もこの討論をリアルタイムで見ていたけど、僕自身もこの

生活習慣は自己管理で改善できる

っていうのが必ずしも間違っているとは言えないんだ。でも一方で、

ところが、この問題は、健康に高い意識を持った人や、健康維持に取り組んでいる人は、どんどん健康になる反面、生活にゆとりがない人や、健康に配慮できる環境になく、時間もお金もない人たちの対策に手を入れないと改善できないところに根深さがあります。

っていうのもよくわかる。それに、

そういう「健康に高い意識や注意を払えるかどうかってこと自体が、生活環境や所得状況、それに住んでいる地域なんかにも総合的に影響された結果だ

っていうのがこの番組最大の問題提起でもあるし、僕自身これにも一理あると思う。そしてそのうえで、

そして、対策を怠れば、格差はどんどん広がり、ひいては健康な人にも、社会保障費の負担として、跳ね返ってきます。

っていう事実を突きつけられたら、

「健康」の問題はもう、個人の問題としてだけ捉えられるものじゃない

っていうのは、ほとんど明らかなんじゃないかと思うんだ。

「あなたのからだはあなただけのものじゃない」っていうのは、みんなに言えることだ

だから確かに「健康問題」っていうのは社会全体の問題だ。でも一方で、自分のからだのいちばん傍にいるのは自分なんだから、自分の意識で保ったり変えたりできる部分もたくさんあるとも思うんだ。

そんなことを考えていたら、こんな言葉を思い出した。それは、

あなたのからだは、あなただけのものじゃないんだからね

っていう言葉だ。これをいちばんよく耳にするのは、たぶん妊婦さんのいるような場所なんじゃないかっていう気がする。そして実際妊婦さんのからだには赤ちゃんが宿っていて、妊婦さんが死ぬと赤ちゃんも死ぬ。そして、

どこまでも過剰に責任を負う必要はないとはいえ、やっぱり妊婦さんのからだや心の状態が、赤ちゃんにも影響するっていうのも確かだと思う。

だから妊婦さんやお父さん、それに周囲のひとたちも、妊娠を機に生活習慣を見直すことも多いと思う。これは、

自分(この妊婦さん)のからだが自分だけのものじゃないってことを、共通認識として持ってるからじゃないかと思うんだ。

だったらそう考えていくとさ、これは別に妊婦さんに限る話じゃないと思うんだ。

たとえ出産が終わろうがこどもが大きくなろうが、お母さんが具合悪くなったら哀しいし、現実的にもいろいろ困る。それはお父さんだろうが親戚のおじさんだろうがおんなじだ。それに、親戚でもなんでもないひとだっておんなじだ。だってみんな、つながり合いながら支え合って生きてるんだから。

僕たちは、誰ひとりとして独立して存在してるわけじゃない。僕たちは「社会」っていうものを作って、それぞれが他のみんなの肩に少しずつ寄りかかりながら生きてる。だからあなたが崩れてそこに穴が開けば、他のみんなも困る。その意味でももう完全に、あなたのからだは、あなただけのものじゃないんだ。

だけどこんな言いかたをしたら、

俺は別に社会のために生きてるわけじゃない!俺がどう生きようが、自分のからだをどうしようが、自分の勝手だ!

っていうふうに取るひともいるかもしれない。でも僕は別に

社会のためだけに(社会の歯車として)生きろ!

とか言っているわけではないし、

健康じゃなきゃ生きてる価値はない!

なんて言ってるわけでもない。ただ僕が伝えたいのは、

あなたのいのちはみんなが大切に思っているものです。そして社会が、あなたを必要としているんです。それにあなたがいなくなったら、この社会(助け合いの仕組み)が潰れたら、まず真っ先に死ぬのは僕なんです

っていうことなんだ。

日本生きろ!だって日本が死ぬときに、真っ先に死ぬのは僕だから
昨日のに引き続き、またみんなの話題に乗っかってみようと思う。ってことで、「保育園落ちた日本死ね問題」について、まずは発端となった文章...

僕はあなたにできるだけ元気でいてほしいだけだ

「社会的弱者」であるっていうことは、自分があなたのおかげで生きているってことを、誰よりも自覚する立場にいるってことだ。だからこそ、僕はただ、あなたにできるだけ元気でいてほしいだけなんだ。それは言ってしまえば、僕自身のためでもある。

でもそれは別にあなたが元気じゃなくなっちゃダメだっていうことじゃない。それに誰だって、まったく予想もしないようなことで健康を失くしてしまうこともあるし、そもそもみんな歳を重ねれば弱くなっていく。それは自然なことだ。だから、

弱くても生きていけるために作ったこの社会保障っていう仕組みは、ほんとに素晴らしいと思う。それにある部分では、誰かを見殺しにしなきゃいけないくらいなら、行けるところまで行ってダメになったらみんなで痛みを負うっていう覚悟があるなら、それはそれでいいとも思うんだ。もちろんそのときは、弱い部分から死ぬのは自然なことだから、僕は真っ先に死ぬだろう。でももともと、僕はこの社会保障がなければ今まで生きてこられなかったんだ。だからほんとに、僕はいつも心から感謝してるんだ。

だけど実は僕だって、できるだけ健康には気を遣ってるんだよ?おかげで持病以外の風邪とかはもう何年も罹ってないし、多少具合が悪くなってもなんとか通院せずに治せている。まぁこれだって、基礎体力がなくなってきたらいつまでもそううまくはいかないんだろうけどさ。

最初からわかっていたこととはいえ、やっぱり考えても考えても一刀両断の解決策なんかないよね。でも結局言いたいことはさ、

お互いできるだけからだと心をいたわって、自分を大切にしてようね

ってことだ。それにあなたがいなくなったら、僕だってほんとに寂しいんだからさ、それだけは素直に伝えたいんだ。これからも、ずっとね。

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