こんなニュースを読んだ。
「いのち支える自殺対策」プロジェクトに取り組む日本財団が9月10日の「WHO世界自殺予防デー」を前に、国民の自殺意識について大規模なインターネット調査を実施、全国から寄せられた4万人を超す回答を分析した結果、4人に1人が「本気で自殺したいと考えた(自殺念慮)ことがある」と答えるなど、深刻な実態が明らかになりました。
4人に1人、「自殺を考えたことがある」過去1年以内に自殺未遂経験 53万人 日本財団が4万人の意識調査 「いのち支える自殺対策」プロジェクトに取り組む日本財団が9月10日の「WHO世界自殺予防デー」を前に、国民の自殺意識について大規模なインターネット調査を実施、全国から寄せられた4万人を超す回答を分析した結果、4人に1人が「本気で自殺したいと考えた(自殺...
自殺に関しては、今までもずっと考えてきたけど……
僕は自殺に関して、今までも何度も自分なりの想いを書いてきた。


だけどやっぱりこういう結果として見せつけられると、改めてなにかを言わずにはいられない気持ちになってくる。ここには、
自殺意識に関し、これだけ大規模な調査結果がまとまるのは初めて
と書かれているけど、ここでアンケートを集計した4万人という数は統計学的に必要とされる数で、ここから
5人に1人が身近な人を自殺で亡くしているほか、自殺リスクが最も高いのは20〜39歳の若年層、過去1年以内に自殺未遂を経験した人は53万人に上る、との推計結果
とかも導き出されてるんだけど、自殺が深刻な状態なのは前からわかっていたこととはいえ、これはやっぱり衝撃的なことだと思う。そしてもちろんこの問題は社会全体の病みを反映しているんだから、僕独りだけでどうすることもできないのはわかりきってる。
でもそのなかで、僕なりにせめてなにか言えないかと思ったら、こんなところが目についた。
調査によると、「自殺念慮あり」と答えた4人に1人(25・4%)のうち13・5%は「現在も含め過去1年以内に自殺を考えたことがある」としており、年代別では20代が34・9%と最も高く、性別では女性(28・4%)方が男性(22・6%)より高い数字となっています。原因は男性が「勤務問題」、「経済生活問題」、「健康問題」、女性は「家庭問題」、「健康問題」、「学校問題」の順となっています。
「健康問題」は、男女ともに自殺を誘発する大きな要因だった
これによると、「健康問題」っていうのは自殺念慮を引き起こす大きな要因として、男性にも女性にも共通して存在するということがわかる。じゃあここで僕が思うのは、
ってことだ。もちろん「健康問題」とひと括りにしても、そこにはたとえば、がんや糖尿病、人工透析を伴う腎臓疾患、あるいは失明、失聴とかいろんなものがあるだろう。そのそれぞれの個別的な症状のつらさについて、僕が実感的に理解できるかといえばそれは無理だ。だけどたとえば「脳卒中」で引き起こされるような症状っていうのは、僕が生まれたときから付き合っているものに原理的にすごく似ている。そして今まで自分自身が直接的間接的に言われてきた体験から言っても、
障碍者になるくらいだったら死んだほうがましだよな〜
って考えるひとはけっこういるんだと思う。その体験はここにも書いたとおりだ。

それについ1か月前に起きた「戦後最大級の大量殺人事件」は、「障害者なんていなくなればいい」と思ったことから生まれている。

だからこれは、
って言っていいとも思う。だから昔から
なんだかんだ言っても、からだがいちばんの資本、健康第一だよね〜
なんて言われるとおり、健康を失ったら死んだも同然だ(=生きる価値がない)と思ってしまうのはよく陥りやすい思考なんだと思う。
確かに、僕も自殺を考えたことがないわけじゃない
そして確かに、僕も今まで生きてきたなかでまったく自殺を考えたことがまったくないかといえば、それはある。特に中高生の頃はそれがけっこう強かった。と言っても、僕はそれを実行しようとしたことはないし、自殺未遂を起こしたこともない。それは
っていうのもある。それによくよく考えてみれば、僕だってわざわざ痛い思いをして自分を殺すなんてことをしたかったわけじゃない。ただ僕のなかにあったのは、結局のところ
もしこの世界に自分の居場所がないのなら、そして生きてることが苦しみでしかないのなら、早く消えてしまいたい
っていう想いだったんだと思う。
じゃああの頃から何年も生き延びた僕が、今なにか確実な「答え」を持ってるかと訊かれたらそんなものはない。だけど少なくとも、
あのとき死ななくてよかったなぁ……
とは思う。だけどそれはどんな理由であれあのとき死ななかったから言えることであって、あのときなにかの拍子に死んでしまっていたら味わえなかった。だからともかくその「実感」を伝えるくらいは僕にもできる。
今自殺を選びかけている180万人のうち1人でも多くのひとに、僕は生きていてほしい
そのうえで改めてこの分析結果を読んでみると、こういうことも読み取れる。まず計算をわかりやすくするために日本の人口を1億2000万人とすると、その4人に1人、つまり3000万人が本気で自殺を考えたことがあるってことだ。そしてさらにその3000万人のうち、「いま現在」自殺を考えているひとの割合は6.2%だっていう。つまりこれは
ってことだ。これはたとえばバーレーンとかエストニアの人口よりも多い。アイスランドとマカオとブータンの人口の合計と同じか少し多いくらいだ。こんな数のひとたちが、今この瞬間に、自殺を本気で考えてるっていうんだ。これを見て、哀しくならないでいられるわけがない。
それに今僕がこんなところからなにかを言っても届かない可能性のほうが高いかもしれない。でも僕はその180万人のうちの1人でも多くのひとに、生きていてほしいと願っている。っていうか、ほんとはいのちを数で表すことなんてできないし、ひと括りにできるものでもない。
これは僕の願いだ。でもあなたの
死にたい!
っていうのが願いなら、僕の
生きていてほしい!
っていう願いだって伝えていいはずだ。だって僕はこれを、本気で思ってるんだから。それに僕ももう2度と、身近なひとを自殺で亡くすなんてことは経験したくない。
僕も僕なりに生き抜くことで、最低限の責任は果たす
でもこんなことを言ってもしあなたが今日死なないでいてくれたとしても、僕はあなたの人生を直接的に助けられることはほとんどない。経済的問題も、家庭や職場の問題も、なにひとつ具体的に解決することはできない。もちろんあなたの身体的疾患を治してあげることもできない。だから僕はその意味でどうしようもなく無責任なのは自覚してる。
だけど僕はせめて、自分自身が僕なりに生き抜くことで、最低限の責任は果たそうと思う。それは僕がこれから、今以上にからだが動かなくなっても、からだの節々が痛くなってもだ。それは確実にやってくる。そしてそれは、時機と長さの違いがあるだけで、誰でも同じことでもある。


そしてそのときどきの想いは、たとえそれが前向きで明るいものじゃないとしても、率直に記録し続けたいと思う。

だってそのために、僕はこの場所を作ったんだから。そしてそのなかで、僕はあなたとも一緒に支え合って、少しでも楽しく穏やかに、おもしろく生きていける方法を模索していきたいと思う。

コメントをどうぞ
かつて「完全自殺マニュアル」
という本が物議を醸したことがありました。
私はあれを読んでむしろ抑止力になった経験がありますが、逆に背中を押された人もいるかもしれません。
私は双極性障害なので、うつの時は当たり前のように死神が隣に立ちます。
「希死念慮」というやつですね。これとはもう10代の頃からずっと闘ってきました。
長年付き合っていると、徐々にあしらいというか、付き合い方がうまくなってきます。
「ちょっと待てよ」と自分にブレーキをかけることができるようになります。
精神疾患の中で、一番自殺率が高い病気なのですが、脳の誤作動で死にたいと感じる場合もあるようです。だからきっと焦るとろくなことはないと思います。
よく寝逃げしてますが。
人生はマラソンだと思っているので、ゴール間近で棄権するのは嫌ですね。
みっともなくてもとりあえず完走を目指して日々頑張っています(^_^;)
はるうさぎさん、こんにちは。
そうですね、僕も日々いろいろなことがあるなかで気分の浮き沈みはありますが、その沈んだ状態を固定させないように、僕もうまく気分を変えながら、自分と付き合っていきたいと思います。
「焦らない」ことや「寝逃げ」といった考えかたや作戦も共有させていただきながら、僕も一緒に僕なりの道の完走を、目指していきますね。