VRで失われた感覚を取り戻した実例は、「想像の力」をありありと示してくれた

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こないだ僕は、近年多くの注目を集めるようになったVR(仮想現実)の技術を「障碍者体験」に応用してほしいということを書いた。

「VR」の技術をこのまま発展させるなら、ぜひそれを「障碍者体験」に応用してほしい
最近「VR」という言葉をよく耳にするようになった。これは2015年頃から少しずつ注目されるようになってきて、2016年の今はさらに拡がろうと...

そしたら、こんなニュースを見つけたんだ。

身体能力に欠損を生じた障害者の脳波を読み取って、パワードスーツなどに命令を送り、機能を補助する研究が進められています。脳波によるマシンコントロールのトレーニングにVR(仮想現実)を使ったところ、マシンコントロールを学習できるだけでなく、動かなくなった体の部位の感覚を取り戻し、回復不可能だと思われていた機能自体が回復した例が報告されています。

まさにこれは、「イメージ・トレーニング」の最先端だ

これは現時点では主に脊髄に損傷を負ったことで身体機能を失ったひとに対する訓練法として試みられていることのようだけど、脳性麻痺によって先天的にからだを制御できなくなっている僕の場合も、自分のからだをどう動かすかの「イメージ・トレーニング」をすることはよくあった。

その場合は、訓練士(理学療法士・作業療法士)さんの動きを目で見たり、自分の姿や動きを鏡で見てみたり、訓練士さんにからだの動きを誘導してもらったり、自分で筋肉を触ってみたりして、

どういう意識をどこに向けると、どういう動きになるのか

っていうイメージを創っていくことになる。もちろんこれと平行して、筋肉や関節の強張りをほぐすような物理的な対処もしていく必要があるし、どうやっても限界というものはあるんだけど、その

「できるかもしれないこと」を「できること」に近づけていくために、イメージ(想像)の果たす役割はとても大きい

っていうことは間違いない。でもその想像するっていうことにも糸口が必要なわけだけど、それを掴むのはなかなか難しいのが現実だった。でもそれに対して「仮想現実」っていうところから先に結果を体感できるっていうのは、かなり革命的なことだと思う。

つまりもう、「イメージを掴む」ための訓練は必要ない。だってそのイメージはもう、今ここにあるんだから。

そしてその仮想現実は、ついに現実になる

そして実際、このVRを活用した療法は、着実に成果を挙げ始めている。それはここにも

実験開始から7カ月後に、トレーニングによって患者の神経系が実際に回復する兆候が現れ始めたとのこと。これまでは脊髄損傷などによる下半身不随症状は決して回復することがないと考えられていましたが、下半身不随になった後も最大80%の患者には神経系統自体は残っているという研究報告があり、VRを使った脳トレーニングによって神経系を回復させる効果がある可能性が指摘されています。

ちなみに実験に参加した8人の患者はすべてパワードスーツを使った動作に成功し、動かなくなった自分の下半身の感覚を取り戻し始めているそうです。

って書いてあるとおりだ。そして短い動画ではあるけど、ここにはその訓練と回復の実例を収めた動画も公開されている。2つめの動画の女性は、「下半身不随」の状態から脱して、自分の足を自力で動かせるようになってきている。これはほんとに、すごいことだと思う。

僕も自分の想像を、どんどん現実に近づけていきたい

僕は普段基本的には「社会モデル」に共感する立場から、社会の仕組みを変えることによって「障碍」(自分と社会の間にある困難・壁)をなくそうとする考えを持っている。

僕たちを治そうとしなくていい。それより社会を早く治してほしい
神奈川の障碍者施設、津久井やまゆり園で起きた事件について、ずっと考えている。毎回書く度に、これで、書ききった。区切りをつけら...

でもだからと言って、こういう医療技術の発展や新たなアプローチを全否定しているわけじゃない。それに、いちど自分が「失った」と思っていたものを取り戻すことができるというのは、なによりそのひとたちの心を励ますし、また世界を拡げていく大きな1歩になると思う。僕もそれは、とても嬉しい。

そして僕がこのニュースから強く感じたことは、

想像したことは、行動によって少しずつでも現実に近づけていくことができる

っていうことだ。そして世界は、今までもそうやって変わり続けてきたんだ。だから、僕が今思い描いているような、みんながもっと穏やかに楽しく暮らせるような社会も、きっと実現させることができるんだと思う。ただ、未来には他にもいろんな「可能性」がある。だから僕が思っているのも可能性のひとつなら、そうならない可能性だってたくさんある。だからこそ、僕は僕の住みたい未来の実現に向かってこれからもできることを模索して、続けていきたいと思う。

だってその「仮想」がすべての始まりだってことは、もう間違いなく証明されたんだから。

このニュースの補足的続報として、よかったらこちらも読んでみてください。

これまで脊髄損傷などによって下半身不随になった場合、回復は不可能と考えれてきました。しかし、最近の研究では、脳にチップを埋め込むことで脊髄をバイパスして信号を脳に送ることで腕を動かせるようになる四
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