現実感があろうがなかろうが、現実は日々移り変わっていく

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ビッグベン(Big Ben)

今日、2016年6月24日、イギリスが国民投票でEU(ヨーロッパ連合)からの離脱の意志を示したことが世界に知らされた。このことについて僕が専門的に解説するほどの知識はない。だけどきっとまたいろんなことで今の気持ちを風化させてしまうかもしれない未来の自分のためにも、今日の動きをほぼリアルタイムで観ていた僕の感じたことを、ここに記録しておこうと思う。

結局は現状維持を選ぶんじゃないかと思われてはいたけれど……

今日がイギリスの国民投票の結果がわかる日だってことは、ニュースでいろいろやってたから知っていた。そしてその情勢は拮抗しているけど、結局は残留する見込みのほうが高いんじゃないかってことを聴いてもいた。それは、ひとの判断には未知への変化を恐れる「現状維持バイアス」がかかるからだっていう話もあって、確かに説得力があるとも思っていた。

でも、少し前に書かれたある文章には、こんな意見も書いてあったんだ。

世論調査では離脱と残留が拮抗しているものの、6月23日に予定される国民投票では現状維持バイアスがかかりやすいこと、経済的にはデメリットが大きいことから、現実的には残留が優勢と思っていたのだが、現地で話を聞くと、どうも違う。人々は治安や移民問題などを経済以上に重要視しており、総合的な国益という点で、ブレグジットが合理的という結論に至る可能性は相応にありそうだ。

(中略)

以上、日本にいると聞こえない声を聞き、日本にいると目にしない情報を見ることで、筆者は状況を整理できた。しばしば、英国民は最終的には国益を考え、合理的な選択をするため残留に投票するはずだという声を聞くが、もしかすると、彼らはEU離脱こそが総合的な国益を考えた合理的な選択だという結論に至るかもしれない。

2016年 03月 30日 15:43 JST

筆者は先週、休暇を使って、かつて9年ほど駐在していた英ロンドンを訪問した。せっかくの機会でもあり、1週間ほどの滞在期間中に、ブレグジット(BREXIT)、すなわち英国の欧州連合(EU)離脱の可能性について情報収集を行ったところ、日本で感じていた雰囲気とは異なる印象を受けた。

だから僕はこんなふうに世論を二分する大論戦になっていた投票の結果がどうなるか、ぜひこの眼で見届けたいと思っていたんだ。

それで、ずっとBBCのサイトを見ていた

だから僕は今日起きてひと息ついてから、ずっとBBCの選挙結果速報を見ていた。といっても現地のニュースを英語で聴くほどの語学力はないから、もっと単純に、開票結果をグラフで表示してくれるこのページを見てたんだ。

Up to the minute results for the 2016 EU Referendum from BBC News

このページは選挙結果が出尽くした最新のものだけど、このサイトには開票途中のころのキャプチャ画像も保存されている。それを見るとたとえば

Up to the minute results for the 2016 EU Referendum from BBC News

なんかの時点では残留派の票が離脱派を上回っていたことがわかる。実際僕が見始めたあとでも特に10時から11時台の、ひとつの開票結果が出るごとに優勢が入れ替わる様子はすごくドキドキさせられた。そしてその様子は、今日の株価の推移にも如実に記録されているからよくわかると思う。一瞬赤い点線(前日終値)を上回ったときが、残留派が持ち直したと見られていたときだから。

やっぱり、お金の動きってそのひとの感情をいちばんシンプルに表してるよね。

このときは、

今まさに世界が動いているんだ!

っていう感覚が、僕にもひしひしと伝わってきていた。

そして、イギリスはEUを離脱する

そして、そんなこんなの感情やすべてを呑み込んで示された最終的な投票結果は、イギリスがEUを離脱する意志を示したものだった。これは確かに、僕にとってもそれなりに感慨深いものがある。だってかつて僕が受験勉強をしていたときに、どっかの問題集かなにかで、

EU(欧州連合)の成立とそれが持つ希望、あるいは課題を踏まえ、アジアでも「アジア連合」が成立する可能性はあると思いますか?またその際には、日本も参加するべきでしょうか?あなたの考えを述べなさい。

みたいな問題があったんだから。そしてそのときは、EUってなんかもっとすごくいいものみたいに言われてたんだから。それがまさかこんなに早く揺らぐことになるとは、そしてもしかしたらその終わりの始まりになるかもしれない瞬間に僕が立ち会えることになるとは、思ってもみなかったんだもの。

でも僕にはまだ、現実感がない

でも、正直それでもまだ僕には、このことに対する現実感がない。それはそうだ。これから実際に手続きをするのに2年はかかるみたいだし、別にこの結果を受けて僕が引っ越しをすることになるわけでも、今日の晩ご飯が変わるわけでもない。それに、僕は結局のところ、イギリスのことをほとんど知らないし、それほどのつながりを感じられてもいないんだ。

けど、たとえ「現実感」があろうとなかろうと、今日で「現実」はなにか変わっていくことになるだろう。それはいい方向なのかそうじゃないのかはわからない。正直に言うと、僕は2008年にオバマ大統領が当選したときも、2009年に日本で民主党政権ができたときも、

これで世界はよくなるかも!

なんてわりと本気で思っていた。でも話はそんなに簡単じゃなかったし、思ってもいないような結果を、次々見せつけられもした。

だけど、それがどんなものであれ、世界は確実に変化した。そしてそれは、僕の「現実感」が追いつくのを待ってはくれない。そして今回明らかにわかったことは、

「事前予想」とか「現状維持バイアス」なんてものだって、ときには簡単に吹っ飛ばされる

ってことだ。そしていったん現実が変化してしまったら、今度は僕たちは別の「バイアス」(認知の歪み)と向き合わなきゃいけない。

「自分はこのままでもだいじょうぶだ」と思い込んでしまう、正常性バイアス

とだ。そしてそれはきっと、僕のなかにもある。

でもこれはきっと、大きな希望でもある

今回の投票結果がこれからどんな影響をもたらすのか、僕にはまだわからない。でもこれはきっと、大きな希望でもあるはずだ。だってこれは、

未来は自分たちが選べる。そしてどんなにあり得そうもないことだって、起こし得る

っていうことの証明なんだから。じゃああとは、その「力」をどこに向けるかだ。そしてそのための種蒔きは、もう始まっているんだ。

コメント

  1. ネコ より:

    確かに今回の件はちょっと衝撃でしたね。

    何となく、EUのような共同体が少しづつ広がっていって最終的には「世界は一つ」になるのではないか…っていう夢みたいな希望も少しはあったと思う。多くの人は。

    でも、

    どうやらこの流れは止まらないような気がするし、

    今では正直、ひょっとするとEUは崩壊するんじゃないか?っていう気もしてます。

    ソ連が崩壊した時のように、無理矢理一つにしようとしても、うまく行かないようになってるのかもしれない。人間って。そんなふうに感じた一件でした。

    • ネコさん、こんにちは。

      人間だけじゃなくてコンピューターでもなんでもそうだとは思いますが、あまりにも情報量が多くなると、それを処理するのもとても難しくなりますよね。

      いろんなひとと助け合うのはいいことなんだろうけれど、立場や思惑が違うひとを混ぜ合わせようとすると衝突することも多くなるし、どうするのがいいのか誰にも決められなくなるし……って考えると、「自治体」の大きさってどの程度がいいのかなぁっていうのは、なかなか難しい問題なんだと思います。

      もちろん、日本も「地方分権」とか「道州制」の話は度々言われていることでもありますし、僕も自分なりに、考え続けてみたいと思います。

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