「傷は消毒しないほうがいい」っていうのは、新しい常識なの?

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消毒

どんなことでもそうだけど、10年前の常識が今の非常識だなんてことはよくある。ただ、それがあまりに広く知られてしまったあとだった場合には、更新されるのには時間がかかるだろう。特に、自分がよくわからない分野の場合には、判断に困ってしまうことも多い。こないだ知ったある「情報」も、僕にとってはそんな話のひとつだった。

「消毒はしないほうがいい」なんていうのをすぐに信じるなんて、なかなかできなかった

僕はちいさい頃は特にからだが弱かった。どちらかと言うと風邪とかによる発熱とかのほうが多かったけど、バランスを崩して転んだ拍子にどっかを擦りむいてしまったりすることもあった。そんなときは、ほぼ必ず消毒をしていた。もちろん自然治癒力があるから絶対しなきゃいけないってわけじゃないけど、しないよりはしたほうがいいっていうとは当たり前だと思っていた。

「消毒って何なんだ? 何のためにしているんだ?」

でも、こないだたまたま、こんなページを見つけたんだ。

そしてそのなかには、こんなことも書いてある。

じゃあ,消毒って何なんだ? 何のためにしているんだ?

あるいは抜歯後の消毒。歯を抜いたあと,毎日のように歯科医院に通院し,口の中を消毒してもらうはずだが,消毒している歯科医たちはこの行為に空しさを感じていないだろうか?

何しろ,口の中なんて消毒したところで,消毒液なんてすぐに唾液で流されてしまう。何となく消毒しないと不安だけど,すぐ流されてしまうのがわかっていて消毒するのはすごく馬鹿らしくないだろうか?

あるいは顔面外傷で「頬から口の中」までの長大な傷を受傷した患者がいて,苦労の末,傷を縫ったとしよう。もちろん,頬の傷は消毒できる。唇の傷も消毒できる。しかし,それがもっと奥(それこそ喉の奥まで)まで連続している場合はどうするのだろう? そこまで深い傷はどう頑張ってももう消毒できない。

この場合も,「頬は消毒できるが,口の中の奥にある傷は消毒できない」からという理由で,前者は消毒し,後者は消毒しないというのは論理的に不合理だ。

要するに上記の例でわかる通り,術後の傷は消毒しても,消毒しなくても同じように治るのだ。ということは,消毒しなくても傷は治るということを意味している。しなくていいなら止めてしまったほうがいい。そっちの方が合理的で科学的だ。

つまり,消毒という行為とそれがもたらす結果についてちょっと考えてみると,「消毒の意味」がわからなくなってくる。消毒は昔から行われている行為であるが,「昔からしているから」以外にその意味を説明できなくなってしまう。

(2001/10/09)

引用元「消毒は必要なのか?」

僕はこれだけでもなかなか驚かされて、しかもそれが2001年に書かれた文章だってことがさらに衝撃だった。だけどこのひとひとりが言っていることをただ鵜呑みにするわけにもいかないから、もう少し詳しく、調べてみることにしたんだ。

僕が知らなかっただけで、この意見はたくさんのひとたちに、支持されていた

さっきのページだと、消毒は

しなくていいなら止めてしまったほうがいい

って書きかただったけど、そこからもっと踏み込んで「消毒はしないほうがいい」って書いてるページもある。ちょっと、これを読んでみてほしい。

新しい傷の処置

傷の処置は、特別な医療用材料を使用しなくても、必要十分な対応が可能です。

1:傷は消毒しない。

2:傷には、直接ガーゼを当てない(被覆材の上からはOK)。

3:傷はすぐに水道水で洗う(できる限り異物を除去する)。

4:絆創膏の使用は閉鎖性のもののみとする(傷を乾燥させない)。

5:傷は食品用ラップで覆う(ワセリンを塗ってもよい)か、医療用被覆材(最近は薬局でも手に入る)ですぐに覆う(この上からガーゼや保護材を覆うことはよい)。

6:傷の処置の準備として、ビタミンC誘導体ジェルを塗布する(市販のドクターズコスメで燐酸アスコルビン酸Naが含まれているもの)。ビタミンC誘導体には、線維芽細胞の働きを高め傷の治癒を促進し色素沈着を抑制する効果があります。驚くほどの治療効果が得られる場合もあります。

7:出血は単純に圧迫。

8:刺創、深い切創、異物の混入、組織の大きな挫滅があれば、すみやかに専門医療機関を受診する。

9:傷にクリームは絶対使用しない。クリームは界面活性剤であり、細胞障害性があるため傷に塗ってはいけない。

10:原則、翌日からシャワー、入浴を許可。創面を濡らしても問題はない。

11:他人の傷を処置するときは必ず、感染防止のためディスポーザブルの手袋(清潔なものでなくてよい)をつけて行う。素手で他人の傷のケアを行ってはいけない。

違和感を覚える方もあるようですが、以上が医学的に新しい傷のケアです。最近では、創傷メカニズムの研究も進み、創傷治癒理論に基づいた適切な創傷被覆材を使用すれば、創傷の治癒期間が飛躍的に短縮されます。

そしてこの他にも、これと同じような意見を伝えているサイトは、たくさんあったんだ。

eo健康 ヘルスケア:ケガややけどをしてしまったら、まずは傷の手当てに“消毒”を想像しがちですが、その方法、実は私たち人間の自己治癒力の妨げになっているのです。
前編では傷の治り方についての説明と、乾燥療法や湿潤療法についてご説明しました。 乾燥療法と湿潤療法の間には基本的に乾燥させるか湿らせるかの違いしかありません。しかし、湿潤療法が注目されると同時に、傷の治療に関して、消毒の是非についても議論されるようになりました。 湿潤療法が体内の細胞の修復能力を最大限活かすためのもので...

そしてついに、これを自分のからだで「実体験」したひとのレポートを見つけた

ここまででも相当インパクトがあったんだけど、ついに極めつけと言えるような情報を見つけた。それがこれだ。

自分では、ものすごい勇気を振り絞ってグサッグサッ!とやったつもりなのですが、 実際は猫がひっかいた..

このひとのすごいところは、

この情報の信憑性を確かめるために、自分のからだで実験している

ってところだ。

消毒しない方が良いらしいのだが・・・ほんまかいな?

もしこれが本当なら、いままで一心に消毒してきた傷の数々は一体何だったのか。

そこで、とにかく試してみることにしました。

カッターで左腕に、カリカリと傷をこしらえました。

それで、その経過を写真と一緒に、細かく記録してくれたうえで、最終的には

結局のところ、痛みが少なく、治りも早い湿式の方が、消毒方式よりも優れていると言えます。

驚いたことに、「傷は絶対消毒するな」は正しかったのです。

医療の常識とは一体何なのか、改めて考えさせられます。

っていう結論を導き出している。この説得力は、かなりのものだった。それで今は、僕もこの意見をかなり深く信じるようになっている。

僕もいろいろな情報をちゃんと柔軟に吟味しながら、自分のからだをいたわっていこうと思う

もちろん、いちばんいいのは僕も自分で実際に試してみることなんだろうけど、僕は痛いのがほんとにイヤだから、まだそれはできない。それに考えてみれば僕ももうほとんど消毒をすることはなくなったなぁと思うんだけど、これからも例外的に重篤な状態にならない限り、消毒は避けるようにしようと思った。

そしてなにより、いちばん大切なことは

常識は知らないうちに、どんどん変化している

っていう事実を認識するってことなんだと思う。たとえば消毒以外にも、「注射のあとは揉まないほうがいい」とか、ひと昔前の「常識・定説」はどんどん覆されてきている。

それに僕の「脳性麻痺」にしたって、症状を和らげるための訓練法はこの20年間でだいぶ変わってきた。「ドーマン法」よりも、「ボイタ法」とか「ボバーズ法」とかのほうがいいとかね。でもそういうのすら、最近ではなくなってきていると思う。

 理学療法士・作業療法士でボバース法やPNFを知らないものはいないだろう。居たらこんなブログ読まずにまずはググ

だけどもちろん、「新しい情報」がすべて正しいってわけじゃないのも確かだ。でも逆に、「前からずっと信じられてきたこと」だから正しいというわけでもない。だったら結局大切なのは、

情報をちゃんと吟味して、自分なりに納得できる答えを出して、行動する

ってことしかないんだと思う。それは自分や周りのひとを護るためでもある。だから僕もずっとその姿勢を忘れずに、からだと心をいたわりながら、生きていこうと思う。あとこれからは季節的に薄着になりやすい時期だから、いろんな擦り傷とか切り傷を作りやすい。だからお互い、気をつけようね。

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