彼らは、小児麻痺(ポリオ)だった。生まれた場所はコンゴ民主共和国。住む場所もなく、ダンボールで暮らしていた彼らは、いつしか思い思いの楽器を手作りして、路上で演奏を始めた。それが、スタッフ・ベンダ・ビリリ(Staff Benda Bilili)の始まりだった。
この出会いから、すべてが動き出した
ある日、コンゴでドキュメンタリーを撮ろうとしていたフランスの映画監督が、たまたまスタッフ・ベンダ・ビリリの音楽を聴いて強い衝撃を受けた。
なんとかして彼らの音楽を伝えたい。でも音楽だけでは彼らの力は表現しきれない。
そう考えた監督は、それを映画にすることを決めた。そして2004年から毎年コンゴの首都キンシャサにいる彼らを訪ねるようになる。するとそれにつれて彼らの音楽は国を越えて拡がるようになっていく。そして2009年、スタッフ・ベンダ・ビリリの音楽は日本でもアルバムとして発売された。それが、『屈強のコンゴ魂』(Tres Tres Fort)だ。
それは、「もう一つのキンシャサの奇跡」と呼ばれた
そして2010年には、ついにドキュメンタリー映画が完成した。その邦題は、『ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡』だった。
確かに、
のはまさに「奇跡」だと言ってもいいだろう。ただその根本にあるのは、
なんだと思う。
「ベンダ・ビリリ」(Benda Bilili)に込められた意味
そんな彼らの活動は、2012年に2枚目のアルバム、『世界を動かせ!』(Bouger le monde!)を出したのを最後に、少なくとも日本では新曲は出ていない。でも彼らがその名前に冠した「ベンダ・ビリリ」(Benda Bilili)に込められた
外見を剥ぎとれ、内面を見ろ!
っていう強烈なメッセージとそれを体現した生き様は、実際に世界を動かしたし、きっと彼らは今でもどこかで歌ってるんだと思う。そして僕もスタッフ・ベンダ・ビリリの音楽を聴きながら、これからも自分の人生と向き合っていこうと思う。

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