「財務大臣になって財政改革を進めよう」。財務省が公開したゲームをプレイしてみた

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平成28年度一般会計予算

安倍首相が来年4月に予定していた消費税の10%への増税を、2019年10月まで30か月先送りすることを発表した。それについてはもういろんな意見が出されているけど、そんなことを考えるのにちょうどいいゲームを見つけた。

財務省が直々に公開した、「財務大臣になって、財政再建を進めよう」っていうゲーム

それは財務省のサイト上に無料で公開されている、こんなゲームだ。

日本の財政はどうなっているのか?「調べて」「見て」「遊んで」財政について考える財務省のコンテンツ。好きな方法を選んで、日本の財政について考えてみよう。

このゲームは自分が国の財務大臣になって、2020年までに基礎的財政収支の黒字化を目指すっていうものだ。

財務省ゲーム画面1

ただ、ここにも書いているように、

このゲームの設定は実情を「簡略化」したもので、実際の数値や目標とは異なる

っていうことらしい。まぁなんだかよくわからないけど、とりあえずやってみよう。

あれ……意外と簡単だったの?

そうするといくつかの説明画面を経て、最初に出てきたのがこの画面だった。

財務省ゲーム画面2

それでここからは、目標達成に必要な5.7兆円以上のお金(支出をどこかから削減することになるんだけど、結論から言うとこの目標でいいんだったら、増税も、社会保障費の削減も必要なかった。もちろん、そのぶんは他のどこかを削ることになるんだけど、思ったよりずっと、簡単だったんだ。

でもこれはさすがにおかしいと思った僕は、もう少しこのゲームの「設定」を、疑ってみることにした。

そもそもこの「5.7兆円」っていう金額は、どこから出てきたの?

そう思ってゲームの冒頭の説明画面をもういちどよく見てみる。そしてそこから「基礎的財政収支とは」っていうページに飛んでみると、この文章の最初にも挙げたこのグラフが出てきた。

平成28年度一般会計予算

これは数字とか経済に疎い僕の理解だから間違っていたら教えてほしいんだけど、これを素直に見たら、

日本の基礎的財政収支=57.6+4.7ー73.1=ー10.8兆円

っていうことになるんじゃないの?

だったらそれがなんで、5.7兆円なんて数字に変わってるんだろう?

9.2兆円?6.2兆円?はたまた、28.4兆円?2020年の赤字額は、ほんとはいくらだと思ってるの?

でもこの10.8兆円っていうのは、あくまで平成28年度の予算から算出される金額だ。そしてこのゲームはあくまでも「2020年」の財政を想定したうえで作られたものだ。そう考えていくと、こんな記事を見つけた。

内閣府が公表した最新の「国家財政見通し」では、2020年度の「赤字額」が6.2兆円に。実は2月試算では9.4兆円&

この記事を参考にすると、ともかくその実現性は別として、

2015年現在の政府の最新試算では、2020年の財政赤字額は6.2兆円

だっていうことがわかる。そしてこの額は、ゲームの設定に出てくる5.7兆円っていう金額にも近い。だとしたらこれがひとつの「設定の根拠」なのかもしれない。

でも上の記事にもあるようにこれはあくまで、「税収等の伸び」と「歳出の抑制」に期待したうえでの額だ。しかも、さらに調べてみると、

このゲーム、社会保障の削減と課税の強化をしないと絶対クリアできないようになってるよ!

っていう意見があった。でも僕にはそう思えなかったから詳しく見てみると、実はこのゲーム、

公開当初は初期設定の赤字額が「5.7兆円」じゃなくて「28.4兆円」だった

ってことがわかったんだ。

財務省ゲーム画面3

なるほど、どうやらこれがゲーム前の説明にもあった、

誤った計数が表示されていたため、計数を修正しました。(平成28年4月30日)

っていう注意書きの意味らしい。でもさ、たとえ間違いにしろ、「簡略化」された結果にしろ、同じ年の赤字額の試算がこんなに変動するってどういうことなの?それにさ、

せっかく作ったんなら、できるだけ実情を反映したゲームにすればいいじゃない?そもそも、政府の「実際の目標」っていうのは、今どこに置かれてるの?

僕はただ、日本に死んでほしくないだけだ

前に

日本生きろ!だって日本が死ぬときに、真っ先に死ぬのは僕だから
昨日のに引き続き、またみんなの話題に乗っかってみようと思う。ってことで、「保育園落ちた日本死ね問題」について、まずは発端となった文章...

のなかにも書いたことだけど、僕はただ、日本に死んでほしくないだけだ。でも同時にこのままの延長線上に未来がないんだろうってこともわかっている。それは別に僕だけじゃなく、みんなわかってることなんだよ。だから僕はこの国を、社会をかたち作っているひととして、ちゃんと事実を知りたいし、できることはしたいと思ってる。そのために、もっとちゃんと考えられるようになりたいとも思っている。

だから、僕は別に消費税が上がるんならそれもしかたがないと思っていたよ。それが上がらなくて済むのは確かに嬉しくもあるけど、なにより「現状がどうなっているのかわからない」ってことほど、怖いものはない。だけどそれはもしかしたら、

もう言ってもどうにもならない

と思われてるか、

お前には言う価値もない

と思われてるせいなのかもしれない。もしそうだとしたら、僕が政府のひとたちに言いたいのは、これだけだ。

僕たちを、信じてください。僕だってちゃんと、考えますから。
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