こどもの頃からずっと、僕はみんなもよく知るあの『ドラえもん』が好きだった。でも、そのなかでもどの登場人物がいちばん好きか(そばにいてほしいか)って言ったら、最初はドラえもんだった。それはきっと、「もしもボックス」とかをもらって、
もし僕が歩けるようになったら!
なんて世界を実現させたり、もっと単純に「どこでもドア」とか「タケコプター」でいろんなところに行ってみたり、そんな願いをドラえもんに叶えてほしかったっていうことも大きく影響した結果だったと思う。
でも僕がいちばん好きなのは、いつしか別のひとに替わっていた
でもいつの頃からか、僕のいちばん好きなひとは、ドラえもんから他のひとに替わっていた。それは、のび太だった。そして僕はいつしか、
のび太が今ここにいてくれたらいいのになぁ……
なんてことを考えるようになっていたんだ。でも、正直に言えばドラえもんのいないのび太なんて、現実的にはなんの役にも立たない。ドラえもんみたいにひみつ道具をいろいろ持ってるわけでもないし、宿題を頼めるわけでもないし、ましてお金を稼いでもらえるなんて思えない。そんなことはこどもの僕にだってわかってた。
でも、のび太はすごく優しい。そしてきっと、具体的にはなにも助けてもらえないとしても、きっと僕が困っていたら、そばにいてくれるだろう。話を聴いてくれるだろう。もしかしたら、誰か他のひとを呼んできてくれるかもしれない。とにかく、
っていう確信が、僕にはあった。これは言い換えると、
だとも言える。それに、「ドラえもんがここに現れる」っていうことに比べれば、まだ「のび太がここに現れる」ことのほうが何倍もあり得そうに思えた。だから僕はけっこう本気で、のび太がここにいてほしいなんてことを空想していたんだ。
のび太に会いたければ、『ドラえもん』の世界を観続ければいい
でももちろん、現実にのび太が僕のところに現れることなんかないのはわかってる。でもせめて『ドラえもん』の世界を観ているときだけは、僕はそこにいるのび太に会える。だから僕はかなり長い間ドラえもんのアニメを観続けていたし、それからしばらく経ってアニメを観なくなっても、年に1回くらい公開されるドラえもんの「映画」は、相当観ていた。そしてそれは確かに、僕を励ましてくれたんだ。
今でも特に深く印象に残っている、のび太の言葉がある
そのなかでも特に深く印象に残っている、のび太の言葉がある。それは2000年に公開された映画『ドラえもん のび太の太陽王伝説』のなかのこんな言葉だ。
僕達友達だろ?!1+1は1よりは大きいよ! 助け合うのは当たり前じゃないか!
でも、これでもあまりにも深く沈んでいるときには顔を上げられないかもしれない。僕もそうだった。それに、数にはプラスの数だけじゃなくてマイナスの数だってあるんだ。けど、そこでさらに、
僕が味方したって、たいした戦力にはならないと思うけど、1+1は、1よりも少なくなるとは、僕、思わない!だって、ひとりじゃないんだもん。
ここまで言われてしまったら、さすがに僕だってうなずくしかない。そしてこの言葉が、苦しい気持ちになったとき、特にどうしようもない無力感に呑み込まれそうになったとき、僕を何度でも、助けてくれたんだ。
僕にできることはあまりにもちいさいかもしれない。でも僕はそれを、無駄だと諦めはしない
僕は今まで、「四つ這いおとな」として生きてきた自分の眼から見えた世界を、そしてそこから感じていることをここにただ素直に書き綴ってきた。そしてそのなかには、どうしようもなく大きな「社会問題」について書いたものも多い。たとえばこんなのもその一例だ。
でも実際、こんなことを僕がこんな場所でいくら言ってみたって、どんなに
なんて言ってみたところで、結局社会は変えられないし、その多数派が作る「流れ」には、まったく逆らえないかもしれない。だってこんな僕にできることなんて、あまりにもちっぽけなものなんだから。
でも僕は、それをまったくの「無駄」だと諦めはしない。だからせめて、グダグダしたときはグダグダしたまま、自分の素直な気持ちを書いた。
そして最初の決意を忘れずに、書きたいことを書きたいように書きながら、自分自身をラクにしようと思っている。
そして
ってことを、あなたに伝えたいと思っている。
僕のやってることは、そしてこれからもやり続けようと思ってることは、結局こんなことで、これ以上じゃない。これ以上は、今の僕にはできない。でも、僕はこれを無駄だとは思わない。だから、僕はこれをやり続ける。そして、いつかあなたがここに来てくれるのを、僕はずっと待っている。そしてそのとき、僕の夢は叶う。だって、僕が待っていたのび太っていうのは、あなたのことなんだから。
コメント
のび太は僕を置いてけぼりにしない。言われてみたらたしかにそう思います。すごく共感しました。
あんこさん、こんにちは。
僕もどのみちゆっくりとしか動けないので、これからもここにいられる限りい続けると思います。
だから、よかったらまたいつでも遊びに来てください。