育児と介護の「ダブルケア」を同時に行っているひとが、25万人もいるという事実

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物憂げな女性

ついこないだ、こんなニュースを読んだ。

子育てと家族の介護に同時に直面する「ダブルケア」をする人が、全国で少なくとも25万3千人いることがわかった。女性が16万8千人で、男性が8万5千人。女性により負担が偏っている実態が浮かび上がった。内閣府が28日、初の推計結果を公表した。

2012年の就業構造基本調査で「ふだん育児をしている」「ふだん介護をしている」の両方を回答した人を「ダブルケア」の担い手と定義し、推計した。この「育児」の対象は未就学児で、内閣府は実際の人数はさらに多いとみている。

伊藤舞虹 2016年4月28日21時15分

僕はこの「ダブルケア」っていう言葉すら、まったく知らなかった

僕は普段から福祉に関わるような情報にはできるだけアンテナを張るように心がけているつもりだったけど、この「ダブルケア」っていう言葉については、このニュースを読むまで、まったく知らなかった。

でも、少し調べてみただけで、すぐこんなサイトが見つかった。

現在子育てをする女性は、子育てと介護のダブルケア問題にどう考えたり直面しているのか。何が課題で、必要な支援は何か。ダブルケアの実態を明らかにしていきたいと考えています。

そしてここにも、

ダブルケアはなぜ重要か

私たちは、晩産化・超少子化・高齢化が同時進行する郊外都市 横浜において、子育てと介護のダブルケアに直面する女性たちにインタビューをしたり、アンケート調査をするなどして、ダブルケアという新たな社会的リスクの構造とその対応策を研究している。

私たちは、ダブルケアが早晩、日本の大きな社会問題・政策課題になると考える。女性の晩婚化により出産年齢が高齢化し、兄弟数や親戚ネットワークも減少し続けている。現存の介護サービス、育児サービスをやりくりしながら、子育てと親の介護を同時にしなければならない世帯(ダブルケア負担の世帯)の増加が予測される。

仕事と子育ての両立、あるいは仕事と介護の両立が問題とされてきたが、超少子化と高齢化が同時進行する日本のような国では、子育て・介護・仕事の両立問題という、新たな形の「ケアの社会化」が社会問題化し、従来の子育て支援策・高齢者介護政策も見直しを迫られる事態となると考える。

ってはっきり書かれているように、この問題は特にこれからの日本にとってこそ、すごく重要な課題なんだと思う。

この数は、これからますます増えていく

そもそも、この問題はまさに社会の状態そのものと深く結びついている。別のサイトには、

警鐘を鳴らすのは、英ブリストル大学・山下順子講師、横浜国立大学・相馬直子准教授らの家族問題に関する研究者たち。「ダブルケア」は、この問題に対する理解が広まるように両氏が編み出した造語だ。

相馬准教授によると、昭和50年では、女性が最初の子どもを産む平均年齢は25.7歳。当時は子育てが一段落するころに、親の介護が必要な時期にさしかかるサイクルになっていたのだ。

ところが、平成に入ると急速に晩婚化が進行。平成24年には第一子の出産年齢が平均30.3歳と、約5歳も高齢に。このため、ダブルケアが起こりやすくなっているのだ。

やがて育児に加えて介護も……cba/PIXTA(ピクスタ)  日本で、今までにない新たな社会的リスクが浮上している。子育てと介護を同時に行わなければならない「…

って書かれているし、最初のニュースにも、

この「育児」の対象は未就学児で、内閣府は実際の人数はさらに多いとみている

って書いてあるけど、この日本を取り巻く状況を考えると、この数はこれからますます増えていくのは間違いないだろう。それにさっきの文章の続きにも、

30代の3割が「ダブルケア」

現代は、出産してからも働き続ける女性が増えている。その一方で、「子育てや介護は女性の仕事」という意識は、未だに男女とも根強い。とりわけ共働き家庭の母親がダブルケアを抱えた場合、ちょっとしたつまづきで、その負担が増大する。

(中略)

このようなケースは他人事でもない。相馬准教授らは昨年8月、ダブルケアに関するインターネット調査を実施した。

ソニー生命保険と協力して、大学生以下の子どもを持つ母親1000人にアンケートを行ったところ、「現在ダブルケアに直面中」が3.3%、「過去にダブルケアを経験」が4.0%だった。

「現在直面中で過去にも経験がある」が0.9%。何らかの形でダブルケアを経験している人は全体の8.2%となった。

さらに「数年先にダブルケアに直面する」と回答した人は14.4%。ダブルケアを経験者と合わせると、5人に1人(22.6%)が身近な問題であることが分かった。

特に現在30代の母親は、27.1%がダブルケアを経験しているか、数年先に直面することが判明した。

ってことが言われてるけど、この「3割」っていう数字が持つ衝撃は、かなりのものだと思う。

その負担を恐れたひとたちがどんな人生を選ぶかを想像するのは、そう難しくない

日本はもう言わずと知れた「超高齢化社会」になっている。そしてこの「介護」の問題っていうのは、黙っていてもどんどん深刻になるだけだ。でもそこに加えて「ダブルケア」の問題まで提起されたら、その負担を恐れたひとたちは、ますますこどもを産むことに躊躇するようになるだろう。その前にもう、結婚自体に二の足を踏むひとがさらに増えていったとしても不思議じゃない。でもそうして、「少子化」と「晩婚化」がますます加速していけば、今の日本社会の構造は変わらないままだ。かと言って、そもそもなんで結婚したり家族を増やしたりすることに躊躇してしまうかと言えば、いちばん単純に言えば、

「お金がないから」

なんだと思う。それにさっきの文章で比較されてた「昭和50年」と今とじゃあ、大学進学率だってなんだって違う。だから、子育てにかかる費用が、昔より断然高くなってるんだ。そんななかで、簡単に結婚してこどもを産んで育てようなんて言われたって、人数が多ければ生活費もかかるし、ましておとなはともかくこどもには貧しい生活をさせたくないって気持ちもあるだろう。そうすると結局、そうやすやすと結婚に踏み切れないのも、自然な発想だと思う。

解決が簡単じゃないのはわかりきってるけど、まずは「現状を認識すること」から始めるしかないと思う

で、結局僕がなにか抜本的な解決策を提示できるのかと言えば、今は到底無理だ。でもともかく、なにかを解決しよう、変えようと思ったら、「現状を認識すること」から始めるしかないんだとは思ってる。そして僕は今まで知らなかった、「ダブルケア」の問題を今回初めて知ることができた。だからせめてこれからは、僕も僕なりの視点から、このことをずっと、考えていこうと思う。

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