自閉症スペクトラムのひとの平均寿命を18年も短くする社会が、このままでいいと思う?

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思い悩む女性

またひとつ、衝撃的なニュースを知ってしまった。ちょっと、これを読んでみてほしい。

「対人関係の形成が難しい」「ことばの発達に遅れがある」「想像力や柔軟性が乏しく、変化を嫌う」という基準で診断される自閉症スペクトラム(ASD)患者は、健康的な人の平均寿命と比べて平均18年も寿命が短いということを示す研究結果をスウェーデンのカロリンスカ研究所が発表しました。

この結果をもたらす原因は、心臓病でもがんでもなく、自殺だった

ここで言う「自閉症スペクトラム」っていうのは、それまでは「アスベルガー症候群」とか「高機能自閉症」とか言われていたものを、もう少し広い視野で捉えなおそうとして生まれた新しい概念なんだけど、一般的に「発達障碍」って言われているものの一種だと考えてもいい。そしてこの障碍自体は、からだをどんどん蝕んでいくようなものではないし、こんなにはっきりとした差が出るほど、特定の疾患になるリスクを高めてしまうようなものでもない。それなのに、通常考えられているよりも18年も平均寿命を短くしてしまうのは、他でもなく「自殺」のせいなんだ。

でも、これはどんなひとにも言えることだけど、自殺に特定の原因なんてものはない。経済的要因から自殺を選んでしまうひともいれば、人間関係の問題から自殺を選んでしまうひともいる。あるいは、事故に遭ったとか、病気になったとか、そういう肉体的な原因を苦に、自殺を選んでしまうひともいる。「なにをストレスと感じるか、なにがいちばんつらいか」っていうのはひとによって違うし、それにどこまで耐えられるかにも個人差がある。だから、同じ状況に置かれたって、自殺しないひともいるし、なんとか気を紛らわしながら、生きられるひともいるだろう。でもだからって、世界で年間100万人ものひとが自殺しているのを「個人の責任・弱さ」というだけで片付けようとするのは、あまりにも酷だと思う。

それに、この記事にもはっきり、

自閉症チャリティ団体・Autisticaは、自閉症患者は著しい「社会・文化的圧力」を受けているという調査結果を報告しており、他人からのいじめ・調和への圧力・社会的隔離などの複合的原因が、ASD患者を自殺に走らせていると指摘しています。

と書いてある。その意見に僕もまったく同感する。この「社会・文化的圧力」というものに眼を向けない限り、この問題は決して、解決しないだろう。そしてそれは、今この瞬間も多くのひとを、苦しめている。

それにこれは、あなた自身、僕自身の話でもある

今回紹介された研究は、あくまでもスウェーデン国内の調査を基にしたものだ。でもスウェーデンと言えば、一般的には「高福祉」の社会を築いていると思われている国だ。そのスウェーデンでこうなのだから、日本や他の国々がこれにあてはまらないとは、とても思えない。実際、

診断は40年ほど前(1974年)は米国の子どもで2500人に一人と言われていたが、今(2015年)は30倍以上の68人に一人と言われている。

Kaienは発達障害(広汎性発達障害、ADHD、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群等)の方が強み・特性を活かした仕事に就く事を応援する会社です。秋葉原、新宿、池袋、横浜、川崎の事業所で日々約150人の発達障害の方が就労移行支援事業を利用しているほか、人材紹介や定着支援、大学生向け「ガクプロ」を活用しています。主なご...

とも言われているように、こういう状態にあるひとは、ひと昔前に思われていたよりもはるかに多いということがわかってきている。それに、僕も含めた「社会的弱者」っていうのは、「その社会の問題点をより強く意識させられる」っていうだけで、ほんとはその「歪み」は誰にでも、影響しているものなんだと思う。それを意識しないで済んでいるひとはある意味しあわせなんだろうけど、だからってずっとそれを無視していられるわけじゃない。だって、ひとはみんな弱くなっていくんだから。

それに、今自分がしあわせだって胸を張れるひとが、この世界にどれくらいいるって言うんだろう?まして、「先進国」と言われながら「自殺大国」になってしまっている日本に?

この記事の最後は、

Autisticaの代表であるジョン・スピアーズ氏は、カロリンスカ研究所の研究結果に対して「我々は自閉症に苦しむ多くの人たちが、40歳の誕生日を迎えられないという現実を認めてはいけないのです」と、ASD患者に対して社会的圧力が生まれないよう呼びかけています。ASD患者は幼年期のうちに自尊心を確立するのが難しいことを示す研究結果もあり、学習障害を持つ成人のASD患者は、自殺する可能性は一般平均の9倍以上になることがわかっています。

っていう言葉で閉じられている。「自尊心」っていうのは確かに自分自身でも与えてあげなきゃいけないものだとは思うし、僕はやっぱり自殺も最終的には「そのひとの選択」に懸かっているんだと思う。でも僕はだからこそ、誰にも自殺なんかしてほしくないし、「死んだほうがまし」なんて、誰にも言ってほしくない。

世界には、年間100万人くらいの自殺者がいるらしい。日本でも「公式には」3万人くらいの自殺者がいることになっているけど、WHO(世界保健機関...

けど同時に、「自殺を選ばせやすい状況」とか、逆に「自殺に追い込まない社会」っていうのも確かにあると思う。そして今の社会は、明らかに「自殺を選ばせやすい社会」だと思う。だったら、僕は素直にそれを変えたいと思う。そしてなにより、僕はこれからも「四つ這いおとな」として、自分の人生を最期まで、生き抜いていきたいと思う。

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