前回、

って書いたように、僕のような「障碍者」にとって「自分に必要なお金をちゃんと稼ぎ出す」っていうのはそうそう簡単なことじゃないんだけど、だからこそ僕も今までいろいろな方法を模索してきた。今回はそのひとつ、「アンケートモニター」のことを、書いてみようと思う。
自分のペースで、環境の整った場所でできる仕事
よほど条件や配慮が行き届いていないかぎり、僕には今の日本における「一般就労」、たとえば「週5日、1日8時間勤務」みたいな仕事はまったく向いていない、というより無理と言っていいだろう。だって、からだの調子は日々違うし、場合によっては1日の半分以上寝ていないといけないくらい疲れていたり、スプーンを何度も落とすくらいに力の入らない日もあるのが、僕なんだから。
そしてたとえ、業務の内容が僕にできることだったとしても、「トイレ」とか「作業机」みたいなひとつひとつの「環境」が整っていなければ、僕はまともに勤務できない。そしてそんな「理想的な環境」を用意してくれるところは、今の日本にはまだまだ少なすぎる。
となると、やっぱり僕にとっては、
「自分のペースで(体調に合わせて)環境の整った場所でできる仕事」
っていうのがひとつの「絶対条件」と言えるわけだけど、じゃあそれにあてはまるものはといえば、「内職」(在宅ワーク)がそのひとつの答えだということに気付く。ここまでは、そんなに難しい話じゃない。
でもよくある「内職」のほとんどは、僕にはまったく向いてない
でも、そういう「内職」(在宅ワーク)の仕事を探してみると、よくある内職のほとんどは、僕にはまったく向いていないことにすぐ気付かされる。たとえば「チラシ配り」(ポスティング)とか「空き缶拾い」なんかは自由に動けない僕にはまず無理だ。それに、「封入作業」とか「縫製作業」、それに「加工作業」なんかも、足だけじゃなく手もうまく遣えない僕にできる仕事じゃない。同じ理由で、「シール貼り」も「宛名書き」も、「広告入りティッシュ作り」とかも全然できない。
だけど「できないこと」はしかたがないんだから、なんとか「できること」を活用して僕にもできる内職を見つけようと探し続けて、やっと行き着いたのが「アンケートモニター」だったんだ。
「ネット環境」と「言葉」さえあれば、アンケートモニターは務まる
それでまず、ものは試しにと思ってアンケートモニターに登録してみた。登録は無料だったし、
って言うなら、僕にだってできる可能性はある。確かに、個人情報を登録する多少のリスクや手間はあるけど、そんなことはどんな仕事だっておんなじだ。だから、僕はそれほど迷わなかった。
ただこんなサイトにはよく、
配信されるアンケートの頻度や量については、一概には言えないのでご了承ください
みたいに書いてあるけど、結論から言うと「20代独身無職男性」の僕でも、1日に数回はアンケートの通知が届いた。ただそのほとんどは短い「事前調査」みたいなもので、報酬も「1回あたり3円」とかなんだけど、そういうのを「定員数」に達するまでにこまめに答えていけば、「チリ」みたいな報酬も少しずつ積み重なっていく。それに、もし自分の「属性」とか事前調査の結果とかがそのアンケートの求めていたものと相性がよければ、たまには「1回100円」とかのアンケートだって届く。まぁ、そのぶんアンケートは長くなるけど、「選択形式」じゃない「自由記述形式」みたいな質問も増えるから、
自分の「声」が届いてる!
みたいな実感も大きくなる。これって、意外に楽しいもんなんだよね。それに、アンケートの具体的な内容は守秘義務があるから自分のなかだけで留めとかなきゃいけないけど、なかには、
新商品のキャッチコピー案について、率直な意見を教えてください
みたいなのもあるから、
あ、これってつまり、これからこんなのが発売されるのかな?
なんて思うと「時代の先取り感」もちょっとだけ味わえて楽しかったりする。実際、
あ、この新商品とキャッチコピー、僕も投票したやつじゃん!
っていうのを経験したことも何回かあるけど、これもけっこういい想い出になったりするんだよね。
僕の実績は「ひと月数百円」だけど、「掛け持ち」して長く続ければそれなりにはなる
あとはみんな「報酬額」が気になるところだと思うけど、僕の実績は「ひと月数百円」ってところだ。「時給」で言うと「60円」くらいだと思うけど、「賃金がマイナス」になることに比べれば、遥かにましだというのが僕の感覚だ。それにいくつかのサイトを「掛け持ち」しつつ、長く続けていけば、それなりの金額にはなるし、「クルマ持ち」とか「主婦」みたいな属性によっては、もっと高額の報酬がもらえるアンケートが来ることだってあるだろう。
正直、あなたがよく動くからだを持っている学生とかフリーターなんだったら、「コンビニ」とか「飲食店」で働いたほうがいいとは思う。「時給60円」なんかじゃ、駄菓子くらいしか買えないからね。でも、もしあなたがなんかの事情でそういう他の仕事ができない状態にいるんだったり、言葉とか意見を伝えることが好きだったりするんだったら、「アンケートモニター」はひとつの選択肢にはなると思う。少なくとも僕自身は、このささやかな「内職」も、まだまだ続けていこうと思ってるよ。

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