「『生きること』ができていればそれだけで90点」。そう言ってくれた福島智さんの言葉に、僕もとても励まされた

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天の川

自分はなんのために生まれてきたんだろう?

自分の人生は、これでいいんだろうか?

みたいなことを考えることはみんないちどくらいはあると思う。僕もそうだ。そして数年前にもそんな想いから抜け出せなくなっていた頃、

「わたしは ここに いる」

強烈な言葉に眼を奪われ、当時放送されていた『爆笑問題のニッポンの教養』という対談番組を観た。そしてそこで僕が出会ったのが、福島智さんだった。

当時の放送を文字起こししたものが、ここに残っていました。

彼のすべてが、僕にとって衝撃だった

そこで僕は、福島さんの「指点字」というコミュニケーション方法を初めて知った。そして彼が視力も聴力もない「盲ろう」という状態にありながら、周囲のひとととても流暢に対話していることにも、またその視力や聴力が「徐々に失われていった」ものであるにもかかわらず、「落語」や「関西のユーモア」とともに乗り切ってきた彼の考えかたや生き様にも、強い衝撃を受けた。そしてそれから、ずっと彼のことを気にかけていたんだ。

そして僕は、福島さんに関連する本をちょこちょこと買って読むようにもなった。そのなかのいろいろな言葉は僕にとってとても励みになったんだけど、そのなかでも、

「人生で大切なことや、ものはたくさんあると思います。みなさんだったら学校での成績も、クラブの活動も、友だちとの関係も、進学も…とこれらすべて大切でしょう。でも本当に、本当に重要なことは、おそらくたった一つだけで、それは『生きること』、つまり人生そのものです。そして、自分が生きることが大切であれば、当然同じ人類である他の人が生きることも大切です。逆に言えば、『生きること』ができていれば、『人生というテストの点数』は、それだけでももう90点くらいだと私は思います。他のいろいろなことは残りの10点くらいのことです。小さなことにくよくよせずに、自分の人生の主人公は自分だという気持ちで思い切って生きてください」

引用元生井久美子『ゆびさきの宇宙―福島智・盲ろうを生きて』

という言葉には、特に大きな力をもらった。そして

僕も「生きること」を続けること、それをまずなにより大切にしよう

と、素直に思った。

見ず知らずの僕にも、福島さんはメールを返してくれた

それで、僕はだいぶ元気になったんだけど、そうしているうちに僕は、福島さんの連絡先がネット上に公開されているのを見つけたんだ。そして僕は、自分が福島さんに助けられたことを伝えたい気持ちで、意を決してそこに「ファンレター」を送った。別に、彼からの「反応」があるとは思っていなかった。ただ、

福島さんはいそがしいだろうし、きっとメールも膨大に来るんだろうなぁ。でももし、僕のメールが少しでも目に止まって、読んでもらえたらいいなぁ……

って淡い期待を持っていただけだった。

でも数日後、僕はとても驚いた。だってまさかの福島さん本人から、僕のメールに返信があったんだから。そしてそこでも、福島さんは僕に、「生きていることがなにより大切」だということ、そして「『自己実現』という目標をあまりに強迫的につきつめないで」ということを、直接伝えてくれた。僕はほんとに嬉しかったし、もちろんそのメールは、今でも大切に保存してある。

僕も、みんなにそう言ってあげられるひとでいたい

僕は今でも毎日いろんなことに悩みながら悪戦苦闘している。でも、そのときに福島さんの言葉は、僕の「基礎」を支えてくれていると思う。そしてみんなが、実際に僕を助けてくれてもいる。だから僕は、今でもこうして生きていられる。

こないだ、

世界には、年間100万人くらいの自殺者がいるらしい。日本でも「公式には」3万人くらいの自殺者がいることになっているけど、WHO(世界保健機関...

にも書いたけど、僕は確かに、見かたによっては「死んだほうがまし」と思えるのかもしれない。僕自身、そう思っていた時期もあった。でも今は、少なくとも「悪くない人生だ」と思えるようになっている。それは、福島さんや、周りのひとたちがいてくれたおかげだ。だからこそ僕は、今「自分なんて死んだほうがましだ」と思ってしまっているあなたにも

一緒に生きていようよ!

と言いたいと思うし、言い続けられる自分でいたいと思う。そしてこの想いは、これからもずっと変わらないし、変える気もない。それは僕の本心だし、願いだし、いちばん素直な気持ちなんだから。

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